網膜剥離
網膜剥離

こんなお悩みありませんか?
こんなお悩みありませんか?
- 黒い点や糸くずのような影が急に増えた(飛蚊症)
- 暗いところで光が走るように見える(光視症)
- 視界の一部が、カーテンや幕がかかったように欠けて見える
- 見えない範囲がだんだん広がってきた気がする
- 急に見えにくくなった、ものがゆがんで見える
- 強い近視がある、または目を強くぶつけたことがある
網膜剥離とは
網膜剥離とは、目の奥にある「網膜」が、本来あるべき位置からはがれてしまう病気です。網膜はカメラでいえばフィルムにあたる大切な組織で、光の刺激を受け取って脳に伝える働きをしています。
網膜がはがれると、その部分は光を感じ取れなくなり、対応する場所の視野が欠けたり、視力が低下したりします。多くは痛みを伴わずに進み、放置すると失明に至ることもある病気です。
一方で、網膜剥離は早期に発見して適切に治療すれば、視力を守れる可能性が高い病気でもあります。特に、はがれが視力の中心である黄斑に及ぶ前に治療できるかどうかが、その後の見え方を大きく左右します。気になる症状がある方は、できるだけ早く眼科を受診されることをおすすめします。
網膜剥離が起こりやすい方
網膜剥離は、次のような方に起こりやすいことが知られています。
中高年の方(特に50代から70代に多くみられます)
強い近視のある方(網膜が薄く、裂け目ができやすいため)
目を強くぶつけた、けがをしたことがある方
白内障手術などの目の手術を受けたことがある方
網膜剥離を経験したご家族がいる方
若い方でも、強い近視や目の外傷をきっかけに起こることがあります。
心当たりのある方は、症状がなくても一度検査を受けておくと安心です。
網膜剥離が起こるメカニズム
最も多いのは、網膜に穴や裂け目(網膜裂孔)ができて、そこから網膜がはがれていくタイプです。これを裂孔原性網膜剥離といいます。
目の中はゼリー状の硝子体で満たされていますが、加齢とともに硝子体は縮んでいきます。このとき、硝子体が網膜を強く引っぱると、網膜に裂け目ができることがあります。その裂け目から、液体となった硝子体が網膜の下に入り込むと、網膜が徐々にめくれてはがれていきます。
はがれた状態が長く続くと、網膜に栄養が届かなくなり、機能が回復しにくくなります。そのため、できるだけ早い段階で治療を行うことが大切です。
主な症状
網膜剥離やその前段階では、次のようなサインが現れることがあります。
飛蚊症(黒い点や糸くずのような影)が急に増える
暗い場所で光が走るように見える(光視症)
視界の一部がカーテンのように欠けて見える
見えない範囲がだんだん広がってくる
はがれが中心に及ぶと、急に視力が低下する
網膜剥離は痛みを伴わないことが多く、片目に起こると、もう片目が補ってしまうため気づきにくいことがあります。特に、飛蚊症の急な増加や光視症は、網膜裂孔・網膜剥離の重要な前ぶれですので、見過ごさないことが大切です。

網膜剥離の検査・診断
網膜剥離は、見え方の訴えだけで診断を確定することはできません。当院では、複数の検査を組み合わせて、網膜の状態を正確に見極めることを大切にしています。
視力検査
現在の視力を確認します。ただし、視力が保たれている場合でも、網膜の周辺部に裂け目やはがれが隠れていることがあるため、視力の数値だけで判断することはありません。
眼底検査
検眼鏡や眼底カメラを用いて、網膜や硝子体の状態を直接観察します。網膜裂孔やはがれの有無、その範囲を確認し、網膜剥離の状態を評価します。網膜の周辺部まで詳しく調べる必要がある場合には、瞳を広げる散瞳検査を行います。
OCT(光干渉断層計)検査
網膜の断面構造を、痛みなく詳しく描き出す検査です。はがれの範囲や、黄斑に及んでいるかどうかを立体的にとらえることができ、治療方針の決定にとても重要です。また、硝子体腔内に赤血球や色素上皮細胞が散布していないかを確認することで、網膜や血管に破綻が起きている可能性をとらえることができます。
広角眼底撮影
網膜の周辺部まで含めた広い範囲を、一度に記録できる検査です。通常の眼底検査では見落とされやすい周辺網膜の裂孔や変性、初期のはがれの兆候を評価できます。撮影した画像は静止画として保存できるため、拡大表示や過去画像との比較を行うことで、変化を客観的に確認でき、見落としをできる限り減らすことができます。
診断の考え方
これらの検査結果を総合的に判断し、網膜裂孔の段階なのか、すでに網膜剥離に進んでいるのか、はがれが黄斑に及んでいるかなどを見極めます。当院では、現在の状態がどのようなものか、どのくらい急いで対応すべきかを丁寧に説明し、患者さまが納得したうえで治療を進めることを大切にしています。
網膜剥離の治療
網膜剥離は、点眼薬などで治る病気ではなく、基本的に治療が必要です。網膜裂孔の段階か、すでにはがれているか、はがれの範囲や患者さまの状態によって、治療法を選択します。
網膜レーザー光凝固術(裂孔の段階)
網膜に裂け目があっても、まだはがれていない、あるいははがれがごく狭い段階であれば、レーザーで裂け目の周りを焼き固める網膜レーザー光凝固術を行うことがあります。
裂け目の周囲を固めることで、はがれへの進行を防ぐ治療です。日帰りで行うことができ、体への負担が少ないことが特徴です。この段階で治療できるかどうかが、その後の経過を大きく左右するため、早期の発見がとても重要になります。
硝子体手術
網膜がはがれている場合には、手術が必要になります。近年の網膜剥離治療では、硝子体手術が選択されることが多くなっています。
硝子体手術では、網膜を引っぱる原因となっている硝子体を取り除き、網膜の下にたまった水分を吸い出して、網膜を元の位置に戻します。そのうえで、裂け目の周囲をレーザーで固め、目の中にガスを入れて内側から網膜を押さえます。
ガスを入れた場合には、手術後しばらくの間、うつ伏せなどの姿勢を保っていただく必要があります。ガスは時間とともに自然に吸収されます。また、年齢によっては手術後に白内障が進むことがあるため、必要に応じて白内障手術を同時に行うこともあります。
強膜バックリング術(強膜内陥術)
眼球の外側からシリコン製の素材を縫いつけ、眼球を内側にへこませることで、網膜の裂け目をふさいで網膜を元に戻す方法です。
とくに、若い方や、硝子体がしっかりしている方、はがれの範囲が限られている場合に選択されることがあります。剥離の状態に応じて、硝子体手術と組み合わせて行うこともあります。
治療後の経過と注意点
硝子体出血が長く吸収されない場合や、新生血管による合併症がある場合、黄斑に膜が関係している場合などには、硝子体手術を検討します。出血を取り除いたり、網膜を引っぱる原因に対処したりすることで、視機能の維持・回復を目指します。
くらかず眼科の網膜剥離診療の特徴
OCTや広角眼底撮影など充実した検査機器による精密な診断
網膜・硝子体疾患の手術経験が豊富な医師による診断、治療
必要に応じて当日でも緊急手術できる手術体制
網膜剥離は、進行する前の早い段階で見つけ、適切に治療できるかどうかが視力を守るうえで何より大切な病気です。当院は開院以来、当院の検査方法にて検査し大丈夫と判断した方で、後日網膜剥離を見落としていたというケースはほとんど発生しておりません。
これは、検査機器が充実していることはもちろん、検査を担当するスタッフの能力と献身性に加え、その情報をもとに多くの手術と治療の経験を積んだ医師が診断していることによる結果と考えています。当院では、異常のあった患者さまも当院で手術を行っており、検査技師も手術に立ち会うため、術前・術中・術後の所見から得られるフィードバックを日々の診断に役立てています。
また、OCTや広角眼底カメラによる検査の多くは、瞳を広げる目薬を使わない無散瞳検査で行えるため、受診後の生活制限が少なく、車での来院も可能です。ただし、網膜の状態をより詳しく確認する必要がある場合には、散瞳検査を追加し、眼底を精密に評価します。
網膜剥離は時間との勝負となることがある病気です。飛蚊症が急に増えた、光が走るように見える、視界の一部が欠けてきたといった症状がある方は、どうぞためらわずにご相談ください。

このような方はご相談ください
黒い点や糸くずのような影が急に増えた
暗いところで光が走るように見える(光視症)がある
視界の一部が欠けて見える、見えない範囲が広がってきた
急に見えにくくなった、ものがゆがんで見える
強い近視があり、網膜剥離が心配である
目を強くぶつけた、けがをしたことがある
ご家族に網膜剥離を経験した方がいる
片目に網膜剥離を起こしたことがあり、もう片方の目が心配である
網膜裂孔や網膜剥離のリスクがないか、詳しい検査を受けたい
よくある質問(Q&A)
- 網膜剥離は放っておくとどうなりますか?
-
網膜剥離は自然に治ることはなく、放置するとはがれが広がり、視力が大きく低下したり、失明に至ったりすることがあります。早期の治療が視力を守るうえで重要です。
- 痛みはありますか?
-
網膜剥離は痛みをともなわないことがほとんどです。痛みがないために気づきにくく、進行してしまうことがあるため、見え方の変化に注意することが大切です。
- 飛蚊症や光視症があると網膜剥離なのですか?
-
飛蚊症や光視症の多くは加齢にともなう変化で、心配のいらないこともあります。ただし、急に増えた場合や、視界の欠けを伴う場合は、網膜裂孔や網膜剥離の前ぶれのことがあるため、早めの検査をおすすめします。
- 網膜剥離は薬で治りますか?
-
点眼薬や内服薬で治る病気ではありません。網膜裂孔の段階ではレーザー治療、はがれている場合には手術が必要になります。
- 手術をすれば必ず治りますか?
-
多くの場合、一度の手術で網膜を元の位置に戻すことができます。ただし、再剥離を生じて再手術が必要になることもあります。視力の回復は、はがれの範囲や治療の時期によって異なります。
- 手術のあとは安静が必要ですか?
-
目の中にガスを入れた場合には、しばらくの間うつ伏せなどの姿勢を保っていただく必要があります。経過によって異なりますので、医師が具体的にご説明します。
- 視力はどのくらい回復しますか?
-
はがれの範囲や、黄斑(視力の中心)が剥離していたかどうか、治療を始めた時期によって異なります。一般に、治療が早いほど回復が期待できます。
- もう片方の目も網膜剥離になりますか?
-
片目に網膜剥離が起きた方は、もう片方の目にもリスクがあるとされています。症状がなくても、定期的な検査を受けておくと安心です。
- 予防する方法はありますか?
-
網膜裂孔が見つかった段階でレーザー治療を行うことで、網膜剥離への進行を防げることがあります。強い近視のある方や、過去に目のけがをした方は、定期的な眼底検査をおすすめします。
- どのような場合に緊急受診が必要ですか?
-
飛蚊症が急に増えた場合、光が走るように見える場合、視界の一部がカーテンのように欠けてきた場合は、できるだけ早く眼科を受診してください。
網膜剥離でご不安な方へ
網膜剥離は、放置すると失明につながることもある重大な病気ですが、早期に発見し、適切に治療すれば視力を守れる可能性が高い病気でもあります。
特に大切なのは、飛蚊症の急な増加や光視症、視界の欠けといったサインを見逃さず、できるだけ早く対応することです。はがれが視力の中心である黄斑に及ぶ前に治療できるかどうかが、その後の見え方を大きく左右します。
当院では、今の状態で注意すべき点は何か、どのくらい急いで治療すべきか、どのような対応が考えられるのかを丁寧に説明し、患者さまが理解・納得したうえで次の対応を選んでいただくことを大切にしています。
網膜剥離の診療は、網膜・硝子体疾患治療の経験豊富な医師が担当します。検査から必要な治療まで一貫して管理を行い、必要に応じて速やかな手術にも対応しますので、どうぞ安心してご相談ください。
■この記事の監修者
埼玉では大宮・見沼を中心に4年半はんがい眼科で新たな地域医療に取り組み、多くの気付きや多くの患者さまとの絆をいただきました。先に学んだ「困っている患者さまと地域に寄り添う」という信念のもと、旧はんがい眼科の地で、くらかず眼科を開院致しました。一方で私のもう一つのライフワークとして、20年前からメーカーと共同で新たな手術器具や手術方法の開発や眼内レンズの研究を行っています。
これまで培った全ての経験を地域の患者さまに還元したいと考えておりますので、これからも当院をどうぞよろしくお願いいたします。
■愛媛大学医学部 卒業
■九州大学心臓外科
■京都大学眼科教室
■公立豊岡病院眼科
■公立豊岡病院眼科所属長
■日高医療センター 眼科センター長
■先端医療センター 再生医療研究部
視覚機能再生研究チーム研究員
■日高医療センター 診療部長
■はんがい眼科 副院長
■医療法人クラルス はんがい眼科 院長





