2024年2月15日
昨年の10月の終わりころのある朝、目が覚めて顔を洗うため洗面所の鏡を見て、思わず、あっと声が出てしましいました。右眼の前に黒い物体が見えるのです。あれ、飛蚊症が出た。
そこは、眼科医ですので、そうか、後部硝子体剥離が起こったのだと理解しました。
私はそんなに近視が強いわけでもないので、60代で起こったのだな。とも思いました。
場合によってはあまり高くはない確率で網膜剥離や硝子体出血も起こり得るので、今日早速、検査を受けようと思いました。砂嵐のような飛蚊ではないので、今は大丈夫かなと思いつつも、剥離があったらどうしようかな?誰に手術してもらおうかな?など、意外と冷静かつ真面目に考えていました。
外来を終えてから、ORTのリーダーに検査してもらいました。当院の検査メニューに沿って、先ずは散瞳なしで、広角眼底撮影を6方向とOCTでの硝子体描出モードで確認しました。
リーダーは撮り終えたあと、大丈夫そうですが、確認してみてくださいと言ってデータを送ってくれました。データを確認し、今のところ問題ないと診断、それにしても、リーダーは綺麗に撮るなと感心しながら安心して夜帰ろうとしたところ、外が暗くなっていたので、初めて光視症が出ているのに気がつきました。
視野の隅に流れ星のように眼の動きに合わせてサッと流れるのです。あ、コレが患者さんが言っておられる奴かと、経験しえ初めてわかりました。思っていたのと少し違ってました。
その後、1週間は目の前に黒い点がチラつき、意外と手術の時は大丈夫だったのですが、外来時は黒点とピントが合うので,頭痛と肩こりに悩まされました。
その後、黒点は、少しずつ、視野の外側に移動してくれたので、今はあまり気になりませんが、これが続くなら手術してでも取りたいと思うほどでした。
飛蚊症の患者様に良くこれは病気ではないので、様子を見ましょうと良く言っていた自分が恥ずかしく思えました。だからと言って、医者と言えども病気を体験したいとは思わないのですか、体験して初めて患者様の気持ちがわかるのも事実だなと思いました。
昔、外科の時、盲腸(虫垂炎)の手術を受けた上司が術後からやけに盲腸の患者さんに優しくなったのを思い出しました。
その後も定期的に検査を受けていますが、今のところ問題なく経過してます。光視症もあまり感じなくなりました。
飛蚊症でお悩みの方は、今の私なら少し気持ちが理解できると思いますので、お悩みでしたら一度ご相談ください。
編著 さいたま市のくらかず眼科 院長 倉員敏明