黄斑円孔

中心に吸い込まれるような見え方や中心が見えなくなったら
すぐに眼科を受診しましょう

黄斑円孔とは

黄斑円孔

黄斑円孔とはものを見る時の中心となる黄斑に丸い穴が開く病気です。
黄斑は網膜の中心部分で、視細胞(外から入った光を神経情報に変える細胞)がたくさん集まった部分です。何かに焦点を合わせてものを見ている時はこの黄斑部で見ています。

この部分に丸い穴があくことで中心に吸い込まれるような見え方や歪んだ見え方、視界の中心が黒く見えなくなったりします。 この状態を変視と呼び、黄斑に異常をきたしている証拠で、黄斑円孔が原因のことも多くそのままにしていると失明に繋がることがあります。

黄斑円孔の原因

黄斑円孔病期

黄斑がなんらかの原因で上方(後部硝子体膜が主)や水平方向(黄斑前膜が主)に牽引され、黄斑部の網膜の構造が脆弱化し穴が開く。
穴が空いた時の衝撃の度合いや基礎疾患(糖尿病性網膜症、黄斑前膜など)により視細胞の脱落具合により術後結果は大きく左右される。
また、時間の経過にても6ヶ月以上放置すると視細胞の減少が増加してくる印象がある。
黄斑円孔も進行具合により病期が4期に分かれています。

黄斑円孔病期

黄斑円孔の症状

変視症

初期症状としては軽度の視力の低下や歪み(変視症)が現れます。
進行すると見えづらい部分が広がっていき、さらに視力が低下します。

黄斑部の網膜に完全に穴が開いてしまうとその部分が見えなくなるため中心が見えなくなります(中心暗点)。

病気は痛みも無く進行していきますので見え方に違和感があればできるだけ早く眼科を受診することをお勧めします。

高度近視に合併した黄斑円孔に時々見られるような網膜剥離を合併した黄斑円孔でなければ、見えにくい範囲は中心に限局するため周辺部は見えますが、中心は黄斑が障害されているのでメガネを使用しても見えにくく視力が出ません。

黄斑円孔の治療

黄斑円孔は、穴の大きさや空いていた期間や高度近視の合併などの条件により差があるものの、日常生活を送る上で支障がない程度には治る病気で、ごく稀に諸条件を満たした方に自然閉鎖を認めますが、基本的には、黄斑に開いた穴を閉鎖するための硝子体手術を行うことで低下した視力が回復していきます。 最近のデータでは約9割以上の方で穴が閉鎖し、6割の方で視力が回復すると言われています。

放置した場合、完全に失明することはありませんが、視力が低下していきますので基本的には手術をすることが望ましいですが、手術をしても完全に元の視力に戻ることは無く、視力が戻らない方もおられ、視力が戻っても暗点や歪視や小視症を訴えられる方もおられる(OCT=光干渉断層計などによる術前検査にて予測はある程度可能)ためリスクと期待できる効果を理解した上で手術を受けられると良いでしょう。この分野の手術はかなり進化しており、昔、閉鎖させることが難しかった黄斑円孔に対しても内境界膜を使った治療が可能になって閉鎖率はより向上しています。当院にても時間のたった症例や高度近視眼や穴が大きな症例には内境界膜を使用した手術を施行しています。

変視症

また、この黄斑円孔を手術する場合、同時に白内障手術を施行することが多く、
この時のレンズ選択や度数決定は慎重に選択することも重要な要素と考えています。

当院ではこの点も踏まえ、今の状態とどのような効果が期待できるのかをしっかりと説明して患者さんが理解できてから手術を行うことを大切にしています。 また、執刀するのは院長をはじめ硝子体手術の経験豊富な医師が担当しますのでご安心ください。

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