硝子体手術

眼科治療の中で難しいとされる硝子体手術、
糖尿病性網膜症や網膜剥離において 確実性の高い手術をご提供します

硝子体とは

硝子体

硝子体は眼球の中を満たしているゼリー状の液体で、眼球の形を保つ役割があります。この硝子体は若いころはゼリー状ですが、年齢と共に液状になり、膜状の隔壁を伴う腔胞を形成するようになっていきます。

この変化とともに、この硝子体が年齢とともに萎縮する事で起こる後部硝子体剥離(硝子体の後部が網膜からはがれること)が起こります。このことと先の腔胞変性が合わさり、飛蚊症をはじめ網膜剥離など多くの疾患が起こってきます。

この疾患により傷んだ網膜を治療するため、まず初めに硝子体を眼内から廓清除去(悪いものを取り除くこと)する事を硝子体手術と総称で呼びます。

硝子体手術について

硝子体手術イメージ

硝子体手術イメージ

硝子体手術は硝子体を廓清除去したのち、疾患ごとに行う処置が異なり、溜まった血液などを除去したり、穴を塞いだり、破けた網膜を直したり、網膜にへばりついた膜を剥がしたりと異常をきたした網膜組織を処置し治療する手術の総称です。

この手術のなかでも、もっとも細い27Gというシステムを用いた場合、眼球に小さな0.4mmの穴を3か所もしくは4か所開け、そこからライトや硝子体カッターなどの手術器具を挿入して行います。

非常に小さな穴から繊細な作業を行うため眼科治療の中でも難しい治療と言われています。

白内障手術や簡単な硝子体手術ができる施設は数多くありますが、難易度の高い症例も含め、ほぼすべての硝子体手術を日帰り手術で行う施設は日本でもあまりありません。

硝子体手術を必要とする主な病気

黄斑前膜

ものを見る時の中心である黄斑と呼ばれる部分に膜が張って見えづらくなる病気です。 加齢とともに目の奥で網膜とくっついている硝子体がはがれるのですが、硝子体は黄斑と視神経と周辺網膜に強くくっついています。硝子体が剥がれる時、網膜と硝子体が引っ張り合いをします。網膜が勝ち、硝子体の皮質が網膜に残った場合で黄斑の上に運悪く残れば、視力や見え方に悪影響を及ぼす黄斑前膜が形成されます。 主な症状としては視力が低下したりものが歪んで見える(変視)などの症状があります。 最近は緑内障や高度近視を発症している場合は、手術の適応や方法に施設間で違いが出てきている疾患です。当院でも工夫をしています。一度お問い合わせください。

硝子体出血

糖尿病網膜症などが原因で眼球内に出血した状態です。 出血が初期のころは黒い点があるように感じる程度ですが、大量に出血すると眼球の中が血液で濁ってしまい、明るいか暗いかが判別できる程度まで視力が低下します。要注意なのは原因がないのに出血をしてしまう場合です。硝子体腔中に出血すると言うことは基本的に網膜が破けているか、網膜表面上に異常血管が何らかの原因で生じこれが断裂して出血しているかのどちらかのことがほとんどです。故に、硝子体出血で眼底の視認性が不良で原因疾患の特定ができない場合は、放置せずに手術をする方が良いと考えます。経験上、50代は網膜剥離、60、70代は網膜分枝静脈閉塞症、80代は細動脈瘤など色々あり、緊急で手術をすることが多くあります。糖尿病の方でも、レーザー治療を受けたことがない硝子体出血は要注意です。

黄斑円孔

ものを見る時の中心である黄斑と呼ばれる部分の網膜に丸い穴が開く病気です。 視神経は黄斑部分に集中しており、この部分の網膜に穴が開くことで視野の中心部分が見えなくなります。条件が整うと自然閉鎖をすることがあり、多く手術をしていると時々経験します。黄斑円孔の場合、一部の高度近視眼による黄斑円孔網膜剥離以外は緊急手術にはなりません。

糖尿病網膜症

血糖値が高い状態が続くと血管が傷み、目の血管にも様々な影響が出ます。 初期の頃は網膜にある毛細血管が詰まったり、血管の壁から血液成分が染み出したりします。血管が詰まった状態が続くと酸素や栄養を届けるため新生血管ができるのですが、正常な血管ではないため出血しやすく硝子体出血を起こすなどの症状がでます。 自覚症状としては視力の低下や飛蚊症や、黄斑に異常があれば変視がでます。 中期を過ぎた糖尿病性網膜症はレーザー治療がもっとも大切です。レーザーをしっかり目に打つために、手術が必要となります。状態が悪いのに、レーザーを打たず放置していると、糖尿病性の網膜剥離や緑内障になり手遅れとなります。 糖尿病性網膜症の患者さまが注意すべき点は、網膜の病態の悪さと視力や血糖のコントロールが相関しないことがあることです。血糖のコントロールが良いのに失明寸前であったり、視力が良いのに網膜全体としては失明寸前であったりすることがよくあります。

当院の特徴

通常日帰り手術ではできない様な重症な症例(裂孔原性網膜剥離・増殖性糖尿病性網膜症、増殖性硝子体網膜症など)も日帰りで安定した手術が可能です。

重症症例も安定して日帰りで手術できる3つの理由

  • 執刀医が豊富な手術経験を有している
  • 看護師をはじめ信頼できるスタッフの協力
  • 患者さまとご家族のご理解とご協力、密な連携

執刀医が豊富な手術経験を有している

当院で執刀している医師は全員豊富な経験を持っています。
特に院長の倉員は手術学会のインストラクションコースを担当するなど高い技術が認められています。

硝子体手術で使用が増えている27Gの開発も当院の院長倉員が日本企業と共同で行うなど技術、経験、知識ともに医師だけでなく医療機器メーカーからも高く評価され、講演やアドバイスの依頼を受けています。(院長開発器具:カッターアシスターなど多数)

看護師をはじめ信頼できるスタッフの協力

医師だけでは手術を進めることができません。
手術をサポートしてくれるスタッフがいて初めて安全かつスムーズに進めることができます。
当院のスタッフは眼科手術の立ち会い経験が豊富で、旧はんがい眼科の頃より長年一緒に手術を行ってきており、ベストなサポートをしてくれます。医師や患者さまが安心して手術を行うことができる環境を整えてくれています。

患者さまとご家族のご理解と密な連携

当院での手術はあくまでも患者さまが日帰り手術を選択された場合のみ、患者さまご本人とご家族のご協力のもと密な連携を図ることで可能と考えます。 入院での手術は行っておりません。入院がご希望の場合はご遠慮なくお申し付けください。どんなに難易度の高い手術であっても、当院でお引き受けした日帰り手術における患者さま側との連携には自信と実績がありますのでご安心ください。

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